L*Legacy
レガシィ。耳慣れた名前ですが、車のことはさておいて。。。それは伝統、遺産、世代から世代へと受けつがれていくもののことです。熊本白川教会は約140年の歴史があり、王栄幼稚園は約130年の歴史があります。歴史がある、伝統があると言うことは多くの方々に愛され、また信頼いただいてきた証しなのかもしれません。確かにすぐれた方々が教会におり、また幼稚園からも輩出されたということは感謝なことです。けれども、弱さを抱える人間の集まりという側面もありますから、様々な課題が歴史のなかで存在したことでしょう。ですから良き幸いな伝統は後世に引き継ぎ残していく。そして時代に即して変えなければならないものは、変えて行くと言う未来志向的な気概を持つことも大切でしょう。
高度成長期から少子高齢化社会へと時代は動いてきました。右肩上がりで「24時間戦えますか!?」と言う”行け行け社会”は「失われた30年」と共に過ぎ去りました。そして右肩下がりが続くなかにありつつも、私たちは成長経済を目指すとともに「分かち合い、助け合い、分配」が見直されなければならないのではないでしょうか。そうでなければ、日本は富める者対貧しき者、と極端に分化した社会に、まっしぐらに進んでいます。それは日に日に顕著に、格差社会というかたちで私たち日本人を苦しめています。そのような社会は争いと混乱、分断を生みます。人間とは、また日本人とは本当はもっと幸せでいいはずです。
また競い合い磨き合えるのは、似たようなギフト(環境、能力や性格、体力)を持った人たち同士なら可能かもしれません。しかしどうでしょう。アメリカで活躍する野球の大谷選手と、iPS細胞の研究者である山中伸弥先生とを競わせる人はいません。それぞれに優れていてそれで良いですし、また「優れている」ことだけが良いわけでもないのです。みんな違ってみんな良い。全能の唯一の神様は、人を競い合うためではなく、助け合うために造られたのですから。補い合い、認め合い、お互いを喜べることこそ大切なことではないでしょうか。